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村上春樹氏が今年も受賞ならず。なぜノーベル文学賞が取れないのか?

Photo:Nobel Prize Medal in Chemistry By:AlphaTangoBravo / Adam Baker
Photo:Nobel Prize Medal in Chemistry By AlphaTangoBravo / Adam Baker

今年も受賞前からざわざわムードが漂っていましたが、結果は今年も無念。以下勝手に受賞できない理由を考察してみました。

ブックメーカーに遊ばれちゃってるんじゃないの?

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 ハルキストたちが静かに見守る中、ノーベル文学賞の受賞者が発表されました。

BBC News - French author Patrick Modiano wins Nobel Literature prize
 日本中のマスコミが無理やり世間に注目させようと奮闘しておりましたが、今年も華麗にスルーで見事な様式美を見せたノーベル文学賞の受賞者発表。今年こそは今年こそはと思わせるその根拠としていつも登場するのが海外の受賞者オッズですね。では、受賞者予想ランキングをつけているブックメーカーとは一体何なのでしょうか。

 海外では賭け事が合法なお国もあり、そしてネット上では国境を越えて賭けレースに参加される方がたくさんいるそうです。その賭けレースの配当を考え、管理するのがブックメーカーと呼ばれる組織で、ブックメーカーを経営する会社は大手だけでも数社あるようです。

春樹氏今年こそ!ノーベル文学賞本命予想 - 社会ニュース : nikkansports.com
 配当はブックメーカーの腕の見せ所であり、うまく調整してレースをおもしろく見せなくてはなりません。そして、ネット社会のおもしろいところはブックメーカーが数社あるため、この配当率が各社で違うというところです。ハイセイコーの馬券をA社で勝って勝利すれば2倍、B社なら10倍ということが起きてきます。 

どのブックメーカーに注目するかで受賞者の顔ぶれは大きく変わる。

 数あるブックメーカーの中から、HARUKI MURAKAMIという名前が1位のランキングだけをニュースで取り上げれば、「3年連続予想オッズ1位」というニュースはすぐに出来上がってしまうわけです。そして、ブックメーカーからすればランキング圏外に「Patrick Modiano」という名前をポツンと載せて自分たちが損をしない配当率に調整すればそれでいいのです。

 受賞者を選ぶ審査員側からしても、毎年予想ランク上位の人間を選んでいたのではおもしろくないでしょうし、上位にランクされるということは負けフラグといっても過言ではないでしょう。言い換えれば、(日本の)大衆は「マスコミ」、「欧米」、「ブックメーカー」に踊らされているとも言えますね。

Photo:Pays de neige By:fred_v
Photo:Pays de neige By fred_v

作品自体がおもしろくないんじゃないの?

 個人的にはこれにつきると思うのですが、『文学』として村上春樹作品をみるとき、それはノーベル賞を受賞されるまでに研鑽されているかと問いたくなります。川端康成と比較して、三島由紀夫を比較してどうでしょう?

 村上春樹の小説が発売される頃には、まるでドラゴンクエストやWindows 95が店頭に並ぶかのように報道され、書店に山積みされ、それをおもしろいおもしろいといって中高生からも読まれています。別に小説などみたことがない層でも、テレビで見たから、有名だから、一度読んではまったからと読んでいます。「思ったほどおもしろくなかった」といえば、周りに叩かれたりして。

 実際に村上氏本人が、川端康成と三島由紀夫を名指しで嫌いと言っているそうなので、自分でも一線を画した作家で良くも悪くも同じ部類ではないということを認識しているようですね。

村上春樹「公開インタビュー」で報じられなかったトリビア集 〈週刊朝日〉|dot.ドット 朝日新聞出版
 鉄腕アトムやワンピースが「文学」としてノーベル賞候補に挙がる時代が来るならば、きっと村上氏の受賞もすぐそこに見えてくるのではないでしょうか。

 

Photo:Riot By:Steve Crane
Photo:Riot By Steve Crane

政治的なメッセージが感じられない。

 これまでの受賞者に見られるのが、政治や社会との闘争、平和運動など何かしらのメッセージを含むものが多いという傾向です。さすがにメンヘラの若者がパスタを食べてエッチなことばかりしていては何のメッセージかわからないということでしょうか。

村上春樹の英訳本、発売前から米アマゾンで3位 - Japan Real Time - WSJ
 村上氏もこれではいけないと感じたのか最近は色々な所でメッセージ性の強い講演などを行うようになっています。

卵と壁(三訂修正版) - Les vacances de Monsieur Keitaro
 これがアンチからはノーベル賞のためのパフォーマンスだと言われたり、有名人になると何をやっても文句を言われてかわいそうだなと同情もしたりしましたが、極東で育って大量の本を読み、ジャズ喫茶などで生計をたてて来た日本人がいう言葉としてみるとあまりにも滑稽に思えてくるのも事実です。過去を見ず、今をみるべきだとは良くいいますが、過去に脱税をやりこんだ政治家に、皆さんしっかり納税しましょうと言われても「はい、そうですか。」とは中々ならないと思うのです。もっというならば、アジアの人権団体にそそのかされてそのまま「日本の性差別は目に余る。早急に是正を問う!」なんてことを、売春、人身売買、戦争加担、現在進行形の有色人種の軽視をしている国連に言われて、その代表が日本で「僕たちはみんな卵なのです。システムに立ち向かいましょう」といわれた日にはどういう顔をして演説を聴けば良いのかわかりません。魯迅や莫言、ノーベル賞を辞退したボリス・パステルナークという作家たちとはメッセージに込めたる重さや背景があまりにも違いすぎます

 ノーベル賞受賞の際に、紋付袴を羽織って日本語で日本文化の美しさについて、そしてその衰退についての皮肉をスピーチした川端康成とはやはり相反する作家だなと改めて思うのです。

Photo:007 The Answer 12I12 By:Dena Flows
Photo:007 The Answer 12I12 By Dena Flows

50年後にはすべてがわかるはず

 うだうだと私見を述べましたが、50年後に情報公開を求めれば選考基準や候補者などがわかるはずなので、ノーベル財団が端から相手にしていなかったのか、ブックメーカーのオッズは妥当だったのか、その年はどのような作家がノミネートされていたかなど傾向がわかるはずです。50年後に当ブログが炎上するのが大変楽しみです。